民族霊長類学と人-霊長類の境界に関する人類学 (Fuentes 2012)

Fuentes A. 2012 Ethnoprimatology and Anthropology of the Human-Primate Interface. Annu. Rev. Anthropol, 41:101–117. http://www.annualreviews.org/doi/abs/10.1146/annurev-anthro-092611-145808

雑多なメモ

  • ethnoprimatologyは21世紀の霊長類研究のポピュラーアプローチ!
  • 理論的基盤、歴史的文脈、いくつかの研究成果を紹介し、その有効性を論じる
  • ヒトと霊長類は現在の生息地で長く共存してきたし、20世紀には生息域の外にも広がった (動物園やエンタメ)。
  • “ethno” という接頭辞は anthropogenicな側面に注目するということを表す。
  • 4つのリネージ
    • 霊長類の野外研究
    • 野生霊長類保全
    • 文化社会人類学や anthrozoology における動物研究
    • 動物福祉運動による霊長類学への批判と参加
  • 霊長類の野外研究の2大潮流
    • 欧米人による霊長類の自然史学的及び心理学的研究
    • 今西錦司が始めた日本の霊長類学
    • いずれもヒトと研究対象であるサルとの関係には関心を払わなかった
  • 1950年代に Washburnが霊長類研究を新しい自然人類学として人類の進化研究につなげようとした。
    • 自然条件下の霊長類と、人間の影響下にある霊長類とを峻別し、前者を理想的とする考えを作り出してしまった。
    • 保全の必要性が高まってから、人間の影響を無視できなくなった
  • 人類学の分野では、象徴や神話の世界では、霊長類はあまり重要視されてこなかった。現実世界での関わり (獣害など) が重視されるようになってから霊長類が注目され始めた。
  • 文化社会人類学において、ヒトとヒト以外の霊長類の存在は相互に相手の生活の中に織り込まれていると認識した人々が ethnoprimatologyの主要な担い手となった。
    • 民族誌的な toolkitを用いて研究を始めた
竹ノ下祐二
竹ノ下祐二
理学療法学科 教授

専門分野:人類学・霊長類学、生物多様性保全学、子ども学

関連項目